2024/11/02 15:40

本人トヨタ式の専門家なので「トヨタでは…」を連呼してしまうのは口癖でもあるのですが、私の仕事の物差し・基準がすべてトヨタと比べてしまうので完全な職業病でもあります。

例えばプライベートでもラーメン屋のカウンターに座ると「そこの寸胴でスープが炊かれているのに、どうして丼ブリやオタマはあそこに配置しているのか?」など、要らぬ動線改善をふと考えてしまいます。
ただ人によっては、私のお客さんでも「このコンサルはトヨタトヨタうるさいな、トヨタのことばかりで自分の芯がないんじゃないか?」と思われているかもしれませんね。
そんなことはないんです!わたしが二言目には「トヨタでは…」と言う訳は大きく二つあります。

一つは、私の長い社会人キャリアのほとんどが、トヨタ本社だけでなく、様々なトヨタ事業体で、様々な肩書で、様々な地方・国で、様々な人々を相手に培ってきたものなので、その時々の問題や最適解が、今現在農家さんで起きている現象の改善になんらか結び付けられることがまずあること。

そしてもう一つは“トヨタ式(TPS)がわたしにとっての宗教”に近いものだからです。
コレを信じて、行えば、必ずや救わ(改善さ)れた、からに他なりません
ヤバいこと言う奴ですね~w
当時私が勤めていた東京のトヨタ直営販売店は大赤字でした。実は当時の東京の直営全6社は軒並み大赤字だったんです。しかしわたしの販売店だけがトヨタ式の改善により「絶対に東京の販売店の黒字化は不可能」と言われていた常識の壁を突破することに成功したのです。

仏教とトヨタ生産方式

この“教え”を東京から当時(≒1998)若僧であるわたしが、天竺w=トヨタ本社まで取りに行って、釈迦w=豊田章男課長から修行を約2年受け、無事に持ち帰り、自社で布教したからこそ、突破不可能な絶対の壁と言われたものを木っ端微塵に壊せました。

この布教で若僧のわたしが注意したことがあります。それはTPS原典での改善活動です。
徹底的にオリジナルのトヨタ式にこだわること、つまり“私見は挟まない”ことです。
本来の宗教、例えば仏教でも同じことだと思います。
現代の仏教ではともすると「亡くなってから立派な戒名を付けないと成仏できない、戒名は信士なら30万円、院居士なら100万円…」はたして、仏教が産まれた時のお釈迦様はこのような戒名を付けねば成仏できないと教えたでしょうか?答えは当然否です。
釈迦の教えに私見だけでなく、私利私欲が挟まれたのが現代の日本に広まっている仏教でしょう。

わたしが釈迦・豊田課長の下で修業した約2年は、トヨタ自動車国内業務部業務改善支援室、通称チームCSです。これは豊田課長が「トヨタと販売店、お客様をつないでこそのジャストインタイムではないのか?」そんな想いで立ち上げられたセクションです。しかし、それは、他の国内営業部門はもちろん、日本全国の販売店からも、当時は歓迎されない存在でした。
周囲からは「TPSだか、ジャストインタイムだか知らんが、モノをつくるのと売るのは違う」と白い目で見られていました。「社長の息子のボンボンの道楽」とまで言われる始末でした。

しかしこのチームCSの活動は国内だけでなく、その後は海外へも、そして自動車製造工場だけでなく販売や異業種にまで広がっていくことになりました。
わたし自身も若僧から多少成長し、宣教師として海外への布教を部分的にでも任されたのは、大きな喜びでもあり重圧でもありました。
しかし言語はおろか文化や常識の全く異なる海外の異業種であっても、トヨタ式の改善によってそれらの壁が崩せることを経験することが出来たのもこの頃です。

改善に終わりなし

TPSの教えに「改善に終わりなし」という言葉があります。
コレは“無限にムダがあるからという本意だけではなく、”改善活動がここまでで終わりって境界線がない”ってことも意味します。
つまりトヨタ式改善に国境も業種も年齢や経験の壁もありません!
ただこのTPS教は祈るだけでは成果は得られません変わること、行動に移さなければ、何の恩恵も受けないのが厳しい所でしょうかw

■以下は時間がある時に読んでください!年初にとよタイムズで【永久保存版】のタイトルがついた豊田章男さんの独白で、わたしが修行wしていたチームCSのことも少し出てきます■https://toyotatimes.jp/toyota_news/1054.html#anchorTitles